准教授
附属病院
集中治療部
研究分野: 敗血症、院外心停止症候群、院内急変患者の気道確保、機械学習
重症患者(敗血症、コロナ感染症、院外心停止患者、外傷など)さんでは、どんなによい治療をしても、ICU入室しばらくすると患者さんの免疫機能が低下し、重症敗血症を併発してなくなることを経験します。
我々は、この免疫力の低下に、血中PD-L1が関与し、PD-L1がリンパ球のPD-1へ結合すると、T細胞増殖、サイトカイン産生、細胞溶解活性が阻害され、T細胞の機能低下が引き起こされると考えています。
敗血症患者の血漿中には細胞外小胞が存在します。これらの細胞外小胞の表面にはインテグリンが多く発現していて、この発現量と患者の低血圧や腎不全といった多臓器不全と相関することを明らかにしてきました。さらに、院外心停止を含むSIRS患者の血液中にPD-L1/L2を発現する細胞外小胞が存在することを報告してきました。
敗血症、重症COVID-19患者、院外心停止患者ではサイトカインストームが起こり、炎症初期には過剰な炎症反応を抑制することが重要であると考えられていますが、逆に敗血症の後期には免疫麻痺が引き起こされ、免疫系が強く抑制される事で易感染性に陥り、患者さんの予後が悪化していることが示唆されています。
我々はこの現象にエキソソームPD-L1が深く関与していると考えて、解析を進めています。我々の研究によりICU患者さんの免疫機能改善効果のある治療方法の発見につながると考えています。
臨床研究医(三重県津市生まれ)としてBench to Bedsideの研究行い、臨床研究医の育成を行っています。
日本救急医学会の学生とのかかわりを担う日本救急医学会学生・研修医部会運用特別委員会の委員長として救急医学と医学生の接点を創出してきました。
三重県には2022年4月時点で、救急指導医、麻酔指導医、集中治療専門医の3つのライセンスを持つ医師は1名のみです。今後重症患者に対応可能な専門医育成に尽力して、三重県で発生する重症患者さんの治療に貢献したいと考えています。
日本麻酔科学会 指導医・機構専門医・標榜医
日本救急医学会 指導医
日本集中治療学会 専門医