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「私」のあり方を自己の記述から考える

横田 悠矢

准教授

人文学部

文化学科

国際言語文化学

研究分野: フランス文学

yokota(AT)human.mie-u.ac.jp
(AT)は@に読み替えてください。

キーワード

  • フランス文学
  • 自伝
  • 自己の記述
  • ロラン・バルト
  • アニー・エルノー

関連するSDGs

  • 背景、動機付け

    自己自身について語るとき、人生のいつ頃のことを扱うのか、またどのように書くのかといった問いは避けて通れません。とくに自己の語りが多様化した、20世紀後半以降のフランスの文学作品を研究することで、「私」のあり方の多様性について考えています。

  • 成果、活用例

    自己について語ることは、多くの場合、それが「どのように読まれるか」という問題意識と密接に結びついています。そこで、博士論文ではナタリー・サロート、ミシェル・レリス、ロラン・バルト、アニー・エルノーといった作家を対象として、彼らの作品にはいかなる読者像が想定されるのかを分析しました。結果として、自伝的作品の語り手がその言説を宛てる人物像は、たえず逃れ去る自己像として解釈しうることを示しました。

  • 今後の展望展開

    とくに1980年代以降、フランスにおける自伝的作品はその断章性を強めていきます。「物語」からの逸脱は、出来事を時系列に語らないことを意味しており、こうした断片的な記述は、他者にも共有されうるものでしょう。今後の研究では、自己の記述がもつ歴史・社会的側面を視野に入れつつ、個人的な「人格」の変遷に留まらない自他の関係性を、現代のテクストのなかで探ってゆければと思います。

  • 主な研究業績・作品等

    • 横田悠矢,『フランス語フランス文学研究』, 第117号, 2020年, p. 201-216.
    • 横田悠矢,『仏文研究』第53号, 2022年, p. 21-41.
    • 横田悠矢,『関西フランス語フランス文学』, 第30号, 2024年, p. 53-64.
  • 略歴

    京都大学大学院文学研究科修士課程、パリ・シテ大学博士課程を経て、2024年より現職。学部でストラスブール、博士課程でパリにそれぞれ留学経験があります。

  • 社会とのつながり

    日本フランス語フランス文学会 編集委員(2025年5月〜現在)

  • 資格

    DALF C2
    第二種衛生管理者

  • 高大連携における探究活動の支援分野

    • 人文科学(文学・歴史・語学・心理学など)への課題