私たち日本語母語話者は、日本語について様々なことを無意識に知っています。例えば、「三重大学の学生と教員」という表現は、学生と教員の両方が三重大学に所属する場合と学生だけが三重大学に所属する場合の二通りの解釈を許します。普段意識することはないですが、これは、日本語母語話者であれば誰もが知っていることです。こうした無意識のことばの知識がどこからやってくるのか、その源を解明することが私の研究の目的になります。
私たちは、生後一定期間周りの大人がことばを話すのを聞くだけで、誰もがそのことばの母語話者になることができます。その間、特別な訓練は一切必要ありませんし、また、人種の別によって制限されることもありません。対照的に、他の動物が人間と同じようにことばを扱えるようになったという事例はこれまで報告されていません。人間だけが持っている特別な能力であることばについて研究することで、私たち自身についてより深く理解することができるはずです。
これまでの研究成果から、私たちが持つことばの知識の大部分が遺伝によって生得的に与えられている可能性が高いことが分かりました。つまり、私たちは、ことばについて多くのことを知った状態で生まれてくるというわけです。私が現在取り組んでいる研究では、英語の‘too’や日本語の「も」に注目、子どもがそれらの要素を含む文をどのように解釈するか調べることで、生得的なことばの知識の具体的な中身を知りたいと考えています。
三重県出身で三重大学人文学部の卒業生です。修士課程修了後、アメリカ・メリーランド州にあるUniversity of Marylandの言語学科の博士課程に進学、2025年に同課程を修了しました。
中学校教諭専修免許状(英語)
高等学校教諭専修免許状(英語)