助教
みえの未来図共創機構
研究分野:
土は私たちの食生活を支える農業や環境保全、また地球の物質循環において重要な役割を果たしており、土の物理的な特性と健康状態(Soil health)を理解することは大切です。私は、さまざまな土や改良材の水・熱の流れ(水分量、温度、フラックス)や、その特性を測るセンシングを活用し、数値シミュレーションによる解析と組み合わせることで、土壌物理学の視点から、土壌健康や作物の生育に適した土とは何かを明らかにすることを目指しています。
異なる土や多孔質体の粒径や密度などの物理性が、保水性や透水性にどのような影響を与えるのかを調べてきました。また、農地やハウス、植物工場にそれぞれ設置したセンサーを使い、土中の水や熱の動きを測定し、シミュレーションでの予測と比較してきました。これらの研究は、農地や温室、植物工場、さらには低重力、乾燥地などの極限環境のようなさまざまな環境において、土の特性と作物の生育環境の最適化、また土壌健康を評価するための重要な知見となります。
地域の特色ある自然環境と土の特性を調べ、センシングとシミュレーションを活用しながら土の健康を評価・改善する研究を進めていきます。また、このことは気候変動の影響を考慮した土壌保全や、農業や都市の緑地管理に役立つ水の管理技術の開発にも応用できるほか、月や火星といった低重力環境での将来の宇宙農業の発展にも寄与できると考えています。
野外でのセンサー設置
屋内での麦栽培ポット試験
千葉県成田市出身。三重大学大学院修士課程修了、Utah State University (Department of Plants, Soils and Climate)Ph.D.修了。Utah State University での博士研究員を経て、2025年三重大学助教赴任。
土壌物理学会、ASA-CSSA-SSSA。