児童青年期におけるメンタルヘルス不調には、抑うつ、不安、不眠、希死念慮、発達特性に関連する困りごと、不登校・ひきこもり、自傷、心身症などが含まれます。これらの背景には、トラウマ体験、解離症状、社会的孤立、スティグマ、家族・学業・経済・対人関係の問題が重なっていることがあります。大学保健管理センターは、健康診断、日常診療、相談、教職員との連携を通じて、学生・教職員が早期に支援へつながる入口となります。児童青年期精神医学、トラウマ関連障害、解離症、ひきこもり、被害者支援の臨床・研究を基盤に、学内の支援部門と地域の医療・行政・福祉・司法機関をつなぎ、二次被害を防ぎながら回復と就学・就労継続を支える体制づくりを進めます。
児童青年期精神医学を中心に、臨床実践と結びついた研究、多職種連携による支援体制づくりに取り組んできました。ひきこもりについては、地域住民調査データを用いた疫学研究を行い、社会的孤立や「居場所」の問題を含む関連要因を検討しています。 トラウマ関連障害・解離症については、解離性健忘の症例研究、トラウマ治療に関する論考、犯罪被害者支援における周トラウマ期解離の評価研究を進めています。被害者支援、女性相談、児童相談、保健所、検察庁などの行政・福祉・司法機関への助言・研修経験を、大学メンタルヘルスにおける初期対応、二次被害予防、関係部局間の情報共有、危機対応に応用できます。
大学保健では、定期健康診断や啓発活動を活用した早期相談、学生・教職員向けメンタルヘルス教育、発達特性や性的マイノリティ等の背景をもつ学生への多職種支援、休学・復学・退学を含む就学支援に活用できます。
三重大学では、学生の「居場所」づくりと不登校・ひきこもり対策、ゲーム・インターネット使用に関連する依存予防、トラウマインフォームドケア(Trauma-Informed Care:トラウマの影響を理解し、再トラウマ化を避ける支援の考え方)に基づく大学環境づくりを進めます。
健康診断や日常診療を活用した早期介入、学生・教職員向け教育プログラム、教職員研修を通じて、研究成果を実際の支援システムへ反映させます。
また、地域医療機関、保健所、精神保健福祉センター、児童相談所、女性相談支援機関、警察・検察・裁判所等と連携し、犯罪被害、虐待、親密な関係における暴力、災害時メンタルヘルス、留学生等の多様な背景をもつ学生への支援に対応できるネットワークを構築します。
大阪出身。東北大学医学部卒業。大阪急性期・総合医療センター、大阪大学大学院医学系研究科、同健康支援相談センター等で、トラウマ関連障害・解離症・児童青年期精神医学を中心とした臨床・研究・教育に従事。地域の行政福祉機関の嘱託医、専門委員としての社会貢献活動にも従事。2025年4月より三重大学保健管理センター教授。
精神保健福祉センター、保健所、児童発達支援センター、女性相談支援機関、児童相談所、警察・検察庁等と連携し、被害者支援、子ども・若者支援を中心とした精神保健活動に臨床、教育、研究の観点から関わってきました。行政・福祉・司法機関の職員研修、被害者支援に関する専門的助言、トラウマインフォームドケアの理念に基づく教育を通じて、地域で支援が途切れにくい連携体制づくりを目指しています。
精神保健指定医、公認心理師、臨床心理士、子どものこころ専門医・指導医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本精神神経学会精神科専門医・指導医、日本児童青年精神医学会認定医・児童精神科専門医・指導医、日本総合病院精神医学会一般病院連携精神医学専門医・指導医、日本サイコオンコロジー学会認定精神腫瘍医、日本エイズ学会認定医.