地球表面の約70%を占める海洋には、陸上とは異なる特殊な環境が広がっており、未解明の生物やその遺伝資源が数多く存在しています。近年、解析技術の進展により、海洋生物の多様性と潜在的な有用性が明らかになりつつあります。本研究室では、こうした海の生物遺伝資源に着目し、有用物質生産を通じて人類社会に貢献する「ものづくり」研究を推進しています。未知の生物遺伝資源の探索と機能解明を通じて、生命現象に対する理解の深化と新たな学術的知見の創出を目指しています。
これまでに、環境汚染物質を分解する新規微生物や、バイオ燃料・バイオ化学品の生産に有用な遺伝子、水産資源の高付加価値化に寄与する遺伝子を発見してきました。これらの成果は、環境浄化技術、再生可能資源を活用したバイオ生産、機能性水産物の開発などへの応用が期待されています。教育面では、実践的な研究を通じて学生の課題解決能力や国際的視野の育成に貢献しており、社会実装を見据えた研究教育を展開しています。
今後は、海洋由来微生物や遺伝子の探索をさらに深化させ、持続可能な有用物質生産技術の高度化を目指します。また、環境・食品・医療分野への応用を視野に入れた研究を推進し、産業界や行政機関、海外研究機関との産官学連携を一層強化していきます。教育面では、国際共同研究や実践型教育を通じて、次世代の研究者・技術者育成に貢献し、海洋生物資源を基盤とした循環型社会の実現を目指します。
生体材料科学分野で博士号を取得後、国立研究機関、大学、総合化学メーカーにて研究職として勤務しました。産官学にわたる研究経験を活かし、現在は三重大学の教員として海洋生物遺伝資源を活用した生物工学研究と人材育成に取り組んでいます。
総合化学メーカーおよび国立研究機関において研究職として勤務し、基礎研究から製品化を見据えた応用研究まで幅広く経験してきました。現在は、その産官学にわたる研究経験を活かし、環境・水産分野を中心とした社会課題解決型研究を推進するとともに、学会活動を通じた研究成果の発信や人材育成に取り組んでいます。
・博士(材料科学)
・甲種危険物取扱者
・第一種衛生管理者
・有機溶剤作業主任者