眼科臨床では、視力や眼底所見のみでは病態を十分に評価できない症例が少なくない。私は網膜電気生理検査や画像検査を用いて、網膜機能や角膜・眼炎症に関連する病態を多角的に理解することを目指してきた。また、大学病院として希少疾患や難治症例に対応するなかで、診療から得られる疑問を研究につなげ、得られた知見を臨床へ還元することを重視している。
網膜電図を用いた白内障手術後や硝子体手術後の網膜機能変化、視細胞機能異常、薬剤性網膜症スクリーニングなどに関する臨床研究を行ってきた。また、角膜移植を含む角膜疾患診療にも携わり、県内での専門診療体制の整備に努めている。研究成果は国内外の学会や英文誌で発表し、若手医師・視能訓練士への教育、臨床研究指導にも取り組んでいる。
今後は、網膜機能検査、眼底画像、OCT/OCTAなどを統合し、眼疾患の病態評価や治療効果判定に役立つ臨床研究をさらに発展させたい。特に、AIを活用した画像解析や診断補助技術の開発を進め、眼科診療の質向上と社会実装を目指す。また、角膜疾患や希少疾患に対応できる診療・研究体制を継続的に整備し、次世代の眼科医育成にも貢献したい。
三重県伊勢市出身
三重大学医学部附属病院眼科に勤務し、網膜電気生理、角膜疾患、眼炎症を中心に診療・研究・教育に従事している。
日本眼科学会専門医